
「ラスキウス」は「人物プラモデル」や「フィギュア」の塗装を強く支えてくれる塗料です。
この記事ではその「ラスキウスの特徴」「ラスキウスの使い方」を紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
ラスキウス とは
「LASCIVUS(ラスキウス)」とは「Mr.カラー」などで有名な「GSIクレオス」から発売されている塗料のブランド名です。
「LASCIVUS(ラスキウス)」とはラテン語で「色っぽい・艶めかしい」という意味があります。
ラスキウスは「人物の『肌』の塗装に特化した塗料」で、「色味」から「使い方」まで「肌の塗装」のために作られた商品です。

「ラスキウス」には
- 【ベース色】
- 基本となる色
- 【コート色】
- ベース色の上から塗る色味調整・シャドウ用
の2種類が存在します。
この2種類を組み合わせることで様々な肌の色を作り出せます。


ベース色 について
その名の通り「ベース(下地)となる色」の事です。

この中でも特に汎用的なのが「ホワイトピーチ」で、この色を「ベタ塗り」するだけでも「やや色白の肌」を表現できます。
その他の3色は「白すぎ」「赤すぎ」「暗すぎ」でそのままでは使いづらいのですが、後述の「オーバーコート色」を重ねることで、千差万別多種多様な肌の色に変化します。
オーバーコート色 について
「Over Coat(上に被せる)」という名前の通り「ベース色の上から吹く塗料」です。

こちらは「ベース色」の上から吹き付けるための「クリアー塗料」ですので、そのまま吹き付けても「良くある肌の色」にはなりません。
「オーバーコート色」は「シャドウ(影)色」と表されることもありますが、これは「シャドウ(影)」の部分にしか使えないということではありません。
「オーバーコート色」は「クリアー塗料」なので「塗り重ねる回数」によって
- 色味の調整
- 影を付ける
など調節することが可能です。
なので「シャドウ色」という言葉はあまり気にせず「下地の上から使う塗料」として認識すれば良いかと思います。

クリアーホワイト・スムースパールコート について
ここからは「色味の無いクリアー塗料」の「クリアーホワイト」と「スムースパールコート」について説明します。
クリアーホワイト
「クリアーホワイト」は色の明度を一段上げられる塗料です。
具体的には「赤→ピンク」「オレンジ→淡い柿色」という具合に、色味を調整できます。

使い道は
- 肌の塗装後、思ってたより色が暗かった場合
- 色を淡くしたい
などの時に使えると思います。
注意点として吹き重ねすぎるとモヤが掛かったように白くぼやけるので注意です。
スムースパールコート
「スムースパールコート」とあるように「つや消し&パール系」の塗料です。
主な使い道は「肌の塗装後のつや消し」で、微細な粒子によって「しっとり、かつキラキラとした輝く肌」を表現できます。

肌は「凸凹していて光が乱反射する」のでつや消し系な点は良くある「肌塗装に向いたクリアー塗料」です。
しかし、この商品には「パール顔料」が入っているので「凸凹を付けるだけの一般的なつや消し」ではできない「様々な要因が絡み合った、複雑な肌の艶」を表現できます。

「肌の輝き・艶」は古くから「美しさ・生命力」の象徴とされていますので、こちらを使えば「ラスキウスで塗装した肌」をさらに魅力的なものとしてくれます。
注意点としてはこちらをあまり重ねてしまうと「"ラメ“が散らばったような肌」になり、結構好き嫌いが分かれる感じになります。

なので「あまりギラギラさせたくない」という場合は「1~2層を薄く吹く」ぐらいが良いかもしれません。
それだと塗膜に不安がある場合は、下に「クリアー塗料」を吹いて保護しておきましょう。
(「スムースパールコート」はラッカー系なので「水性のクリアー塗料」は使わないようにします)
また「パール系塗料」なので
- よく混ぜる
- 塗装中にも粒子が沈むので、ちょくちょく「うがい」で混ぜる
- 普通のクリアー塗料を使う用と、エアブラシ分ける
など「メタリック系塗料」を使う時の様な点を気を付けた方が良いと思います。
塗装の流れ
この方法は、あくまでも筆者の個人的なものです。
決してこの方法が正解ではないですし、この通りに行う必要はありません、
「実際にラスキウスを使って肌の塗装をする工程」を、筆者の例ですがご紹介します。
ちなみに
- 下地を塗らない
- ベース色だけ塗る
- シャドウは入れない
でも全く問題ないです。
「取り入れたい工程」だけを、かいつまんで実施してもらえればと思います。
下地塗装
「ラスキウスのベース色」は「ココアミルク」を除いて明るい色が多いです。
(そのココアミルクも「隠ぺい力」は微妙です)
ゆえに「下地の色」の影響を受けやすいので、下地の色選びは重要となってきます。
とは言っても、基本的に「下地は白」で良いと思います。

「色味調整」は「オーバーコート色」で出来るので「下地+ベース色」の組み合わせによる色味調整はしないというのが、初心者の私がいつも行っている下地作りです。
また下地に使う「白」は
- 【パテ・レジンなどを使っている】
→白のプライマー入りサーフェイサー - 【プラ素材のみ】
→Mrカラー クールホワイト
という感じです。
ベース色塗装
今回はベース色に「鴇羽色」を使い「褐色肌」を作ります。

ここは基本的には「ベタ塗り」するのですが、もし「肌にハイライトを残したい」という場合は「ハイライト部分」は避けて塗装するようにしましょう。
オーバーコート色塗装
次は「オーバーコート色」を使います。
「オーバーコート色」の使い方は主に
- 【色味調整】
- 「肌に赤みを足す」など
- 【シャドウ入れ】
- 影が付きやすい場所に濃いめに塗装して、立体感を増す
です。
「色味調整だけしてシャドウ入れはしない」という作り方の場合は良いのですが、もし「色味調整+シャドウ入れも行う」場合は「オーバーコート色を使う順番」を考える必要があります。
具体的には
- 【色味調整 → シャドウ入れ】
- 先に全体に「オーバーコート色」を塗って、その後部分的に「シャドウ」を入れる
- 【シャドウ入れ→色味調整】
- あらかじめ「影が付きやすい場所」に「オーバーコート色」を塗っておいて、その後全体的に「オーバーコート色」を塗る
と、大体↑の2種類の工程があります。

それぞれの方法の特徴として
- 【色味調整 → シャドウ入れ】
- シャドウの際が目立つ「パキッ」とハッキリしたシャドウ
- 【シャドウ入れ→色味調整】
- シャドウが上から吹かれた「オーバーコート色」で馴染んだ自然なシャドウ
となりやすいです。

個人的には「シャドウ入れ→色味調整」の順番が好みです。
「シャドウをミスっても、そのあと全体的に吹けば誤魔化せる」というのが半人前の筆者にはデカすぎるメリットです。

「後にシャドウを入れる」と、影がクッキリして「ミスをごまかせない」ので苦手です。

シャドウが悪目立ちしています。
とはいえ「色味調整とシャドウ入れの順番」は「自分に合ってる方」「表現したいもの」によって好きに選べばいいと思います。
また「オーバーコート色を重ねすぎない」のが重要です。
「色味が足りない場合」は後から吹き重ねれば良いのですが「色味が過剰」になると、修正するのが難しいです。
「使えそうなベース色とオーバーコート色の組み合わせ」は、後程いくつか紹介いたしますのでよろしければ参考にしてみてください。
色味調整
まずは「色味調整」から見ていきます。
今回はベースの「鴇羽色」に「ペールオレンジ」を2層吹きます。

そして↓のようになりました。

写真だと分かりづらいですが「いい感じの褐色肌」になりました。
シャドウ入れ
お次は「シャドウ入れ」の方法です。
「塗装対象の大きさ」にもよりますが「全長14cm程度の美プラ」の場合は「0.3㎜口径以下のエアブラシ」を使いたいです。
「色味調整と同じ色(今回ならペールオレンジ)」を、影ができやすい場所に吹きます。
「影ができやすい場所」の話になると「ラスキウスの使い方」とはまた別の話になるのですが、大体↓の様な場所にいつもシャドウを入れています。

透明クリアー塗料
最後は「透明クリアー塗料」を使って
- 塗膜の保護
- 肌の質感の統一
を行います。
一般的に肌に使う「透明クリアー塗料」は「つや消しタイプ」が多いですね。
ここはラスキウスの仕上げ透明クリアー塗料「スムースパール」でも良いですし「その他の透明クリアー塗料」でも大丈夫です。
「手軽さ」なら缶スプレータイプの透明クリアー塗料(トップコート など)。
「よりこだわった質感」なら「クレオスのスムース系」がおすすめです。
組み合わせ
ここからは「ベース色」×「オーバーコート色」の組み合わせを数種紹介します。
「ラスキウスラスの組み合わせ」は「塗料の濃度」まで含めるとまさに無限ですので、あくまでも「ほんの一例」として受け止めてください。
①.鉄板の組み合わせ「ホワイトピーチ+ペールレッド」

左上1回 右上2回
左下3回 右下4回
「そのままでも肌の色として使える」ぐらい完成度の高い「ホワイトピーチ」に、ほんのり「赤み」を乗せられる「ペールレッド」の組み合わせです。
ラスキウスでは「ホワイトピーチ」+「ペールレッド」の組み合わせは鉄板中の鉄板、「初めてのラスキウス」ならこの2色をまず買うのがおススメです。


「ホワイトピーチ」は、それ単体だとやや「作り物っぽい肌」なのですが「ペールレッド」で赤みを足すことで「血の通った生物らしい肌」を表現できます。
個人的におすすめなのが
- ベース色(ホワイトピーチ)を塗る
- シャドウ部分に1層だけ「ペールレッド」を先に吹く
- 全体に1層だけ「ペールレッド」を吹く
という使い方です。
②褐色肌には「鴇羽色 + ペールオレンジ」

左上1回 右上2回
左下3回 右下4回
「赤みの強い『鴇羽色』」でベースを作りその上から「黄色味」を含む「ペールオレンジ」を吹くことで「日焼け肌・褐色肌」を作りだせます。
「オーバーコート色」は「ペールブラウン」でも良いのですが、それだと「赤み」が強めなので「ソフトな褐色肌」を作る際にはこちらがおススメです。


「ペールオレンジを吹き重ねる回数」で「日焼け・褐色の濃さ」をコントロールできますが「クリアーカラー(オーバーコート色)」は重ねるほど濃くなるのでやりすぎには注意です。
③より濃い褐色肌に「鴇羽色 + ペールブラウン」

左上1回 右上2回
左下3回 右下4回
「ペールオレンジ」よりも「赤み」「暗さ」が強い組み合わせです。


「ペールブラウン1層」だけでもがっつり色が赤く暗くなるので、重ねすぎると「暗いオレンジ色」のような肌になってしまうので「赤身足りないかな?」ぐらいで止めて、様子を見るのが良いと思います。
④色白肌に「ナッツホワイト」+「ペールレッド」

左上1回 右上2回
左下3回 右下4回
「ナッツホワイト」に「ペールレッド」を吹くことで「蒼白」な色白肌を作れます。
色の系統としては「ホワイトピーチ+ペールレッド」に近いですね。

ただ「ホワイトピーチ」+「ペールレッド」の組み合わせの場合は、「元から暖色寄りのホワイトピーチの上からペールレッドを吹く」です。

しかし「色味が極薄いナッツホワイトにペールレッドを吹く」ことで「かろうじて赤みを感じる、ギリギリを攻めた白い肌」を作り出せます。

「ナッツホワイト」の微妙で繊細な色味がこの結果を生んでいると思うと「ラスキウスが良く考えられている商品」だと実感します。
さらに「ペールレッド」を
- 薄め液を多めに加える
- 「クリアー(透明)塗料」を加える
などして薄めると「肌の白さ」をコントロールしやすくなります。
「ペールレッド1層だけでも濃い。求めている色白肌じゃない」という場合にお試しください。
⑤しっかりした暗い肌に「ココアミルク」+「ペールブラウン」

左上1回 右上2回
左下3回 右下4回
「褐色」より暗い肌の塗装には「ココアミルク」を使います。
「ココアミルク」だけだと「名前の通りミルクをたっぷり混ぜたココア」のような色ですが「ペールブラウン」を使うと「赤味」が足されて肌っぽくなります。


↑は「ペールブラウン」ですがこれを「ペールオレンジ」にすると、「黄色味」が増して明るくなります。

さらに「ココアミルク」の「肌の色味を持った暗い色」という特性は色々使えて、「ストッキングなど薄手の黒系衣装」の表現に使えます。
例えば下は「白サフ」の上からベタっと「ココアミルク」を塗った脚ですが、「シャドウ」や「ハイライト」を入れずとも「ストッキングっぽさ」が出てきてくれます。

ここからさらに「クオリティアップ」を目指して
- 脛の両側
- 膝のくぼみ
- 膝の裏
- 膝の皿の下部
などにシャドウを付ければ、お手軽なストッキング塗装ができます。




ただ「ストッキング専用のラスキウス」とかいうブツをクレオスさんは開発中らしいので「ストッキング表現としてのココアミルク」がお役御免の日は近いかもですが、それでも「暗い薄手の衣装の表現」としては使えそうです。(参考記事)
まとめ
今回はクレオスさんから発売されている「ラスキウス」についての紹介でした。
「ラスキウス」を使ってから肌の塗装が簡単&楽しくなって、美プラ制作のモチベーションを上げてくれる神塗料だと個人的には思っています。
「ベース色 と オーバーコート色の組み合わせ」にややとっつき辛さがあるかもですが、「ホワイトピーチ+ペールレッド」の組み合わせが何にでも使えるぐらい汎用性が高いので、まずはそちらを試してみてはいかがでしょうか?











